データサイエンティストから研究開発員に転職をした話

はじめに

sinchir0と申します。2020年10月に転職をしました。 この記事にはざっくり以下のことが書かれています。

  • なぜ転職理由を記事にしたか
  • なぜ転職したか
  • 転職して実際どうだったのか
  • (おまけ)コンサル会社のデータサイエンティストのメリット

ただのポエムです。ご注意を。

また、企業としての意見は一切含まず、全て私個人の意見です。

なんで記事にするの

「何がしたくて転職したのか」を明文化し、常に意識するためです。

日々仕事をする中で、今後どのような仕事をしていくか、していきたいかという判断をする機会が多くあると思います。 その時に、転職した理由を軸にした判断をしたく、今回文章にしてみました。

自己紹介

国内大手SIerにてSE・データサイエンティスト、外資IT企業にてコンサル兼データサイエンティストとして勤務していました。 業務内容としては、提案、PoC、開発、保守・運用まで幅広く経験したことがあります。 今現在は、自社サービス会社で研究開発員として働いています。

システムの保守・運用からスタートし、データサイエンティストを経て、現在研究開発員をしているという ちょっと異色なキャリアです。

ちなみに大学の頃は人工網膜の設計とか、燃料電池の破壊特性の研究とかしてました。現職とは一切関係ないです。

いつ頃転職活動したの

2020年7月-8月の約2ヶ月間です。ご時世柄ほぼWeb面接でした。

PJの関係でリモート勤務が出来なかったため、面接ギリギリまで働き、 近くのオフィスビルの一階に設置されている有料テレワークスペースに駆け込んで面接を受ける日々を繰り返していました。

telecube.jp

どうして転職しようと思ったの

大きく三つあります。

データサイエンスと関係ない仕事に取り組む時間が増えた

前職にはデータサイエンティストという職種で入社したのですが、 事情が重なり、データサイエンスとは無縁の業務に携わる機会が増えていました。

前職でのデータサイエンティストは、コンサルタントの一部であり、 PJやアサインの状況によって、多様な業務をこなすのは当然のことです。

ただ、自分の中では、データサイエンスの仕事がもっとしたい、という気持ちがありました。 理由は、ビジネス適用の可能性・論文の盛り上がり・コンペ・Twitterなど全てを考慮した上で、データサイエンス界隈が好きだなぁと思うからです。

そのため、「明確にやりたいことがあるのに、何故それと全く関係ない仕事をしているのだろう?」 という気持ちが次第に大きくなっていきました。

Twitter上で、他のデータサイエンスのお仕事をされている方々が日々様々な成果を上げていくのをみて、 自分だけが成長できていない、という焦りを感じたのも一つの理由です。

「データサイエンスを中心とした仕事に取り組む時間を増やしたい」という思いが強くなったことが大きな理由の一つです。

自分の取り組んだ仕事が、どのような影響があったのか数字として確認したくなった

前職のPJへの関わり方の場合、PoCフェーズだけ担当、開発フェーズだけ担当という形で 3ヶ月程度で新しいPJにどんどん取り組んでいくことが多いです。

大規模PJが多く、フェーズ毎に必要なスキルも異なるため、 適した人員をフェーズ毎にアサインするのは全体最適の観点で妥当かと思います。 また、このサイクルの速さは、各個人の成長面でのメリットもあリます。

ただ、業務をこなすうちに、下記のような思いを持つようになりました。

「一つのサービスに対して、試作立案から検証・デプロイを行い、そのフィードバックを受けた改善までを、一貫して行いたい」

頻繁にPJが変わるため、自分が取り組んだ成果が、どのような影響があったのか知ることが出来ないことが多かったです。 そのため、自分の仕事の結果、KPIがどう改善したか、改善しなかったのであればその理由は何かを深く追求していきたいと考えるようになりました。

コンサル会社と顧客のKPIがずれている

コンサル会社での分かりやすい成果として 「開発が無事完了し、次フェーズも受注できた」「PoCの評価が高く、お客さんからお褒めの言葉をもらった」「本PJのプレスリリースが出された」 などがあります。私も経験がありますし、本当に嬉しい気持ちにもなります。会社内での評価にも繋がります。

一方、顧客企業からみると、上記成果は直接的なKPIに繋がっているでしょうか。 顧客企業は、分析を依頼することで、例えば「契約率を上げたい」「在庫の廃棄率を減らしたい」などの望む成果があるはずです。 この成果は、受託分析会社の成果とは異なります。

この微妙なズレが、作業の優先度に対して悪い影響を与えることを業務の中で何度か経験しました。 そのため、「目指す成果が同じメンバーで働きたい」という気持ちが生まれるようになりました。

(この問題はPJリードとして、自社の成果と顧客の成果が一致するよう調整していけば解決できる問題かと思います。私のリード力不足も当然あります。)

どんな会社を受けたの

コンサル会社から自社サービス会社までかなり幅広く受けました。 受けた職種もコンサルタント、プロジェクトマネージャー、データサイエンティスト、機械学習エンジニア、研究開発員と様々です。

というのも、私が転職を考えた際の想いは、どのような会社であれば最も効率よく実現できるのかよく分からなかったためです。 ネット上である程度情報収集できるものの、現場の方から直接聞いた話よりも信頼できる情報はないだろうと思い、 とりあえず気になる会社は全部話を聞くようにしました。総数で言うと15~20社程度かと思います。

余談ですが、Twitterで転職する旨を伝えたところ、リファラル含め5~10社程度には声をかけてもらえました。大変ありがたいです。

なんで今の会社に決めたの

「一つのサービスに対して、施策立案から検証・デプロイを行い、そのフィードバックを受けた改善までを、一貫して行ってみたい」

この考えを、最も高いレベルかつ速いサイクルで実現できそうと感じたためです。

更に

「目指す成果が同じメンバーで働きたい」

という部分に関しても、全社的に、特定のプロダクトを作っていく、という意識が非常に強い企業であるため、 実現できそうだと感じました。

ありがたいことに複数社から内定を頂き、条件面を比較しながらかなり悩んだのですが、 上記2つの理由から、現在の会社の内定を受諾しました。

入ってみて実際どうなの

自分が考えを実現するための、十分に恵まれた環境があり、非常にレベルの高い方々がいらっしゃいます。 入って良かったと心から思っていると共に、1日でも早く自身も成果を出せるようになりたいと思っています。

入ってから少し考えが変わったのは、自分で「全社的に使われるような一つのプロダクトを自らの手で作り、成長させたい」 という思いが強くなったかなと思ってます。 これは弊社が全社的に「良いプロダクトを作る」ことに強い想いを持っていて、実際にそれが会社として実行できていることに感化されています。

自分の職種の将来性とかちゃんと考えてるの

考えてません😂 このご時世どの仕事がなくなり、どの仕事が栄えていくかなんて誰にも分からないと思います。 勿論現時点で「この仕事はなくなるぞ!」と断言できる職種を目指すのはそれ相応の覚悟がいると思いますが、 そうではない限りは、今「面白そうだ」と思った仕事を全力でこなすのが一番幸せなんじゃないかなと私は思います。

ちょっと小話

コンサル会社のデータサイエンティストのメリット

転職理由から、コンサル会社のデータサイエンティストに悪い印象を与えてしまいそうなので、補足します。

コンサル会社における受託分析系のデータサイエンティストは、成長という観点で非常に良い環境だと私は考えています。

それは下記3点の理由がメインです。

ビジネスとデータサイエンスの紐付け部分に集中して取り組み、経験を得ることができる

データサイエンスの知識・経験のうち、技術書や論文で学べる知識に詳しい方は、学生さんを中心に増えているかと思います。 (新卒の方やインターン生のレベルの高さとかいつもびっくりしてます。)

更に昨今ではKaggleのようなデータ分析コンペティションが多く開かれ、 「モデルを構築して改善していく」という部分は、多くの人が身につけやすいスキルになったと感じています。

そのような背景のもと、(上記スキルを持っていることは大前提で)どの現場でも共通して望まれるスキルとしては、 「ビジネスの課題をデータサイエンスの課題に適切に置き換える能力」があると思います。このスキルは、実務で磨く以外伸ばしようがないスキルだと考え、これが正しく行える人材は貴重です。 コンサル会社のデータサイエンティストは上記経験を得るのに、最適な場所だと思います。

求められるアウトプットのレベルが高いため、生産性を上げる術を身につく。

コンサルタント(データサイエンティスト)は、基本的にお客さんから頂く単価が高いです。 高い単価を払い仕事をお願いするからには、アウトプットに対する期待値も非常に高いものとなります。

そのため、単価に見合った仕事をすることが要求されます。 要は時間辺りに求められる成果の量がえぐいです。そして、周りの人間はそれを当たり前のようにやってのける方しかいません。

コンサル会社のデータサイエンティストとして働くことで、まずは個人の生産性を上げる術を学び、 更に年度が経つと、効率良くPJを回す術を身につきます。

キャッチアップの能力が上がる

3ヶ月程度でPJが変わる際には、メンバー、マネージャー、顧客、業界、出社先全てが変わることが多かったです。 つまり、3ヶ月に一回転職しているようなものだと思ってます。

PJごとに用いられる技術・文化・背景は全く異なり、主要人物が異なり、 業界を跨ぐと使われる用語が全く異なります。

PJが変わるたびに、最初の1週間程度は何を話しているのかちんぷんかんぷんかと思います。 (みんなそうだと信じている。)

そのため、キャッチアップを早く行う術が身につきます。

これら3つの能力は、どの会社に行っても確実に役に立つと思います。

最後に

Twitterやってます。もし質問などあればリプライか、DM開放してますので是非連絡してください。 https://twitter.com/home

twitter.com